春の”頭痛”は急性ストレス障害、二つの「習慣的な行動」で解消◎

4月~5月は、新入学、新入社、転勤など、新しい環境や人間関係の中で始まる生活の期待と不安でいっぱいになる季節です。なかなか新しい環境になじめない場合は注意が必要です。
今回は、そのような春の精神的なストレスから生じる頭痛や体調不良への対処法についてお話します。

頭痛の原因は急性のストレス障害

学校や職場などの新しい環境になじめないと、それまで抱いていた期待が大きく、精神的ダメージが強く、より大きな落胆につながることが容易に想像できます。そのような時に頭痛や腹痛を起こして外出できなくなることがあります。新しいスタートに対してうまく適応できない、あるいは自分が思ったほどうまく行かない場合に引き起こされる頭痛があります。

実際に、片頭痛の起きるタイミングを調べたイタリアの論文で約2000人の学生にアンケートしたところ、学校に行っている時の方が、休日より頭痛が起こることが多いと記されています。学校や会社に行くことがストレスとなり感情的な問題となると記載されています。
また原因を調べた報告では、急性のストレス障害がもっともトリガーとして頻度が高いと報告されています。その人にとって大きな問題、悩み事があると、だれでも頭痛を起こすという意味ですね。

このような場合には「適応障害」と呼ばれる疾患の可能性もあり、精神科やカウンセラーなど専門的な治療が必要です。五月病の原因で一番多い病気はやはり適応障害だといわれています。

新しい環境下では「習慣的な行動」を

では、このような新しい環境で楽しく新生活のスタートを切るには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。またこのような頭痛の対処法としては、どのようなものがあるでしょうか。

物事を捉える視点を、自分の考えだけではなく、さまざまな視点から捉えて治療していきます。今回は1人で簡単に実践できる、以下の2つの「習慣的な行動」をおすすめします。

◎自分から自己紹介をしてみよう。

新しい学校や職場では、そこに集まってきた人はみな、期待と不安を抱えています。同じ境遇ですから、打ち解けたいと思っている気持ちも共通しています。自分から積極的なあいさつをしてみましょう。

◎「きっと、うまくいく」とイメージしてみよう。

これからはじめる新しい環境で、「友達ができなかったらどうしょう?」、「仕事がうまくできなかったらどうしよう?」と悪いイメージで考えないということです。「どうしたら友達ができるかな」、「どうしたら仕事がうまく行くだろう」と考えるのです。しかもこの場合、できるだけ具体的な行動につながるように考えるのです。
認知行動心理学では、肯定的思考がコミュニケーションに有効との報告が多くあるのです。

特に朝起きた時に「今日もきっとうまくいく」と思い描くことです。脳科学でも、朝起きた時や、これから行動する時に行うのか効果的だといわれています。セルフイメージの捉え方次第で、新しい環境は素晴らしいものになるのです。

新しいスタートが素晴らしい人生の始まりとなることを!!

ただし!!
頭痛や他の具体的な症状が持続する場合は、専門医療機関への受診をしましょう。