仕事の業種File11:金融・保険業ってなに?どんな仕事をするの?

◆金融業界
金融とは”資金に余裕がある人”が”資金を必要としている人”に”資金を融通すること”です。
例えば銀行はわたしたちの預金を企業や個人に貸し出しその利子を得ることによりビジネスを行っています。
また、金融には「直接金融」と「間接金融」があり、銀行は間接金融に含まれます。

・間接金融
預金者から資金を集め、その資金を必要な人に貸し出すことを意味します。銀行はわたしたちが預けているお金を企業に融資し、その利息をもらうことで利益を生み出しています。
特徴として「資金を必要としている人」と「資金に余裕がある人」が直接会うことなく、それぞれが個別に金融機関とお金の貸し借りを行うところにあります。たとえば、銀行に預金した人は、自分のお金が銀行から誰に貸し出されたのかを知ることはできません。その代わり、預金先の銀行が取引している融資先が仮に倒産して元利金の返済が難しくなったとしても銀行に預金した人のお金はそのまま守られ、いつでも引き出せます。
その他に市場型間接金融というものがあり、こちらでは間接金融の枠組みを維持しつつ、市場を介した取引を行なっています。代表的なものだと投資信託やシンジケートローンなどが挙げられます。

・直接金融
「資金を必要とした人」が株式や社債といった証券を発行し、それを購入してもらうことにより、資金を集めるものです。つまり、企業が発行した証券を投資家が直接購入し、資金を出資する形になることから直接金融と呼ばれます。ここで証券会社が携わることになり、投資家と企業をはじめとした資金需要のある発行体の仲介役となります。その時の手数料で利益を生み出しているのが直接金融の特徴です。

金融業界には、ほかにも数多くの業種が存在します。
信託銀行や地方銀行、政府系金融機関、生命保険会社、損害保険会社、資産運用会社などが存在します。また、金融機関の中でも特に高学歴・ハイスペックな方々に人気なのが外資系投資銀行です。かなりの激務で成績を残すことができないとクビになるという(up or out)リスクもありますが、他業種に比べかなり高額な年収をもらうことができます。
その他に、新卒で入ることは難しいですが、ベンチャーキャピタルやPEファンドといった、ベンチャーやスタートアップに投資をし、その企業を成長させることにより利益をもらう業種も存在しています。
主な業種一覧
・銀行(メガバンク、地方銀行、信託銀行)
・証券会社
・保険会社(生命保険・損害保険)
・資産運用会社
・政府系金融機関
・外資系投資銀行
・VC、PEファンド
・その他の金融機関

続いて、以下では主な職種についてそれぞれ詳しく説明します。
・個人営業
保険や証券などの金融商品を、個人に向けて販売する仕事です。
資産を築いている個人の顧客に対して、その顧客の要望に合わせて適切な商品を組み合わせて提案します。保険会社や証券会社ではノルマがあることが多く、代表的な営業マンの仕事と言えるでしょう。

・法人営業
法人企業の財務面をあらゆる方向からサポートする仕事です。
ときには金融商品を提案したり、資金の借り入れを勧めたり、資金調達のお手伝いを行います。企業経営は、財務面と密接な関係があることから、顧客の経営に深く関わるケースも多いです。

・ファイナンシャルプランナー
銀行や証券会社、保険会社などで、顧客である個人に対して資金計画や資産運用などの助言をします。また、ファイナンシャルプランナーは国家資格である「FP技能士」、民間資格である「AFP」「CFP」があり、個人営業として働きつつこれらの資格を取りながら、独立する人も多くいます。

・プライベートバンキング(プライベートバンカー)
富裕層の顧客に対し、資産運用や事業承継、相続などのアドバイスやコンサルティングまで幅広いサービスを提供する仕事です。日本ではあまり馴染みのない職種で、「プライベートバンク」自体はスイスの限られた銀行を指しますが、広義で富裕層の個人顧客に対する資産形成アドバイス、という意味合いで国内銀行も「プライベートバンキングサービス」を提供するところが現れています。

・ファンドマネージャー
法人から預かった莫大な資産を投資運用する仕事です。
株式市場に上場している企業への投資や、更には株式公開前のベンチャー企業に対する投資を行います。さらに様々な企業の業務内容や業績、将来性を分析し、有望と判断した企業や国、金融商品等に投資しています。

・証券アナリスト
証券会社や銀行に所属し、個別企業の将来性や社会の動向などを分析する仕事です。
分析の対象は経済だけにとどまらず、政治情勢や新興国の経済、また新しい技術に対する情報などの収集や調査も行います。

・エコノミスト
世界経済あるいは日本経済の動向を調査し、メディアや研究機関などに対して今後の展望を提供する仕事です。シンクタンクや官公庁、大学などの研究機関に多く在籍しています。

・アクチュアリー
統計学を駆使し、各保険商品にふさわしい保険料や支払金額を算出する仕事です。
分析系の職種ですが、そのデータを元に新たな保険商品の企画・開発に携わることもあります。

金融業界といっても、多種多様な業種があり、それぞれの特徴を完全に理解することは難しいと思います。また、他業種と比較してみて自分の志望動機を考える上でぜひ役立てて下さい。